人生相談三連発 「オタクの息子に悩んでます」「身の下相談にお答えします」「女の絶望」

オタクの息子に悩んでます 朝日新聞「悩みのるつぼ」より (幻冬舎新書)

オタクの息子に悩んでます 朝日新聞「悩みのるつぼ」より (幻冬舎新書)

うちの部署の新人ほかに
「考える技術を学べ」と読ませた
「オタクの息子に悩んでいます」。
大ウケでした。目からうろこが落ちる、
膝を打つ回答とはこのこと。
賢く、暖かく、
「読者と同じ温度の風呂に入る」
名回答の数々。

本書は言わずと知れた朝日新聞の人生相談。
本書に掲載された回答以外にも、
岡田斗志夫氏のホームページで、
順次、紙面掲載の悩み相談が読めます。
FREEexなう。 朝日新聞・悩みのるつぼ


しかし。
人生相談の名手は他にもいます。
同じく、朝日新聞の回答者、上野千鶴子氏。
岡田氏のライバルですね。

これはもう、何と言うか、
何歳になっても人間の悩みというのは
変わらないんだなあ、と「人類不変の法則」
に、唸らされるような悩み事ばかりなんです。

「既婚女性とやばい感じです」
「妻のカラダに触れたいのに」
「33年前に別れた恋人と再会し」
「家庭外で好きな人がいても寂しい」

それに対する上野先生のお答え。
「トキメキや性欲はたしかに人生の醍醐味の
1つです。ただし、そのコストは高くつきます。
その覚悟があるのなら、
いまから人生を味わいつくそうと思っても
決して遅くはありません」

なんと素敵なお答えじゃありませんか。


女の絶望 (光文社文庫)

女の絶望 (光文社文庫)

こちらは遠くカリフォルニアと熊本を、
親の介護のために往復していた
詩人の伊藤比呂美氏が
西日本新聞で連載していた人生相談。

こちらもより深刻な親と子、男と女の問題に
じわっと分け入った名回答の数々。

親の介護、夫との関係、子供との関係に
翻弄され、その負荷を一身に背負う
女性の心と体の相談に、
心の奥まで分け入って答えた
身につまされるものばかりです。
生きていくっていう事は本当に重くて
大変なんだ、とその重量感に涙します。
年を経るほどますます重くなる。

それにしても。
どんなにネットが発達しようが
ガジェットが発達しようが、
LINEが便利だろうが
男と女の関係は、親と子の関係は、
変わらないんだなあ・・・