公園のスター
天気も良いので、実家の近くの大きな公園を散歩しました。
この公園にはスターがいます。それはカワセミ。
定年退職後とおぼしきおじさんたちが、巨大な望遠レンズつきの
高級そうな一眼レフカメラをかまえてシャッターチャンスを狙っています。
いつもカワセミがいるわけではないので
池やそこから流れる小さな支流に姿をあらわすと
まるでマドンナかヨン様でも現れたかのような緊張感がどっと走り、
一斉にシャッターを切る音がします。
海外旅行の直前にヨドバシカメラにかけこみ、
「一番小さくて一番安い」という理由で買ったコンパクトデジカメでは
到底映らないので、
私はその小さくて青い宝石みたいな姿を見るだけです。
確かに非常にきれいな鳥なので「高級カメラ」の被写体にふさわしい、
とカメラの持ち主達は異口同音に思っているフシがありありで、
コンパクトデジカメ(彼らはバカチョンカメラと呼ぶ)で
私がキノコやドングリの写真を撮っている様子をバカにする風なのですが、
でも素人が植物や動物の写真を撮るのに
結果はたいして差がないんじゃないの、と思ってしまいますし、
正直「定年後は鳥の写真を撮るくらいしかすることがないのかなあ」
とも思います。(平和だからできることですが)
そしてこの公園には知名度は低いけれどもっと可愛いスターがいるのです。
それはうずらのつがい。
人がほとんどいないときしか姿を現さず、茂みの中で完全な保護色なので
めったに見られませんが、繁殖期後に雛をつれて餌を探す様子の可愛いこと。
色がきれいだったりはしませんが、非常に愛らしい景色です。
みんなが追いかけるものじゃなくても「かわいらしきもの」は
いっぱいいます。
[カワセミがいます]