生協二題

実家では生協の宅配を毎週利用しています。
一時、近所のスーパーが廃業してしまって以来、
食品と日用品のほとんどを購入するようになりました。

その一

母が倒れて集中治療室に入り私が駆け付けた時
彼女が言ったのは「洗濯石鹸を注文しておいてね」
ということでした。
妹とはしばらく生協の注文は休もう、と話していたのですが
「買うものに印をつけておいたからそれを注文しておくように」
という依頼を無視することはできませんでした。

もしかすると遺言になるかもしれない。
本人は今まで通りの生活が続くと思っている。
では、母の指示通り注文しよう。

そうした作業は自分としては非常に嫌いなのですが
カタログに印のついた商品をみながら、
注文用紙のマークシートを塗って注文に出しました。
それ以降の週も、父の分もあるので宅配を依頼し続けました。
なんだか、注文を続けないと母がいなくなってしまうような
気がしたからです。

今は母本人が注文用紙を記入していますが、
こうした食品&日用品の注文を毎週する、というのは
日常が続いていることの何よりの証拠で
ありがたいことだなあ、と思います。

その二

しかし、不在中の母が指示した注文の品が届いたとき、
その多さにはびっくり。思わず配達のお兄さんに
「いつもこんなに買ってるんですか!?」
と聞いてしまいました。
「はい、いつもこれくらい注文されます」

発泡スチロールのケースが5個、更に野菜やキッチンペーパーや
ティッシュペーパー、お茶のボトルなど、これで1週間分。
老夫婦2人で、なんでこんなにたくさん買うのか。

だから古くなったり駄目にしたりする食品がいっぱい出るんじゃないの。
なぜまだ在庫があるものを更に増やすのか。
要は在庫管理が出来ないので、重複保管や保管忘れが大量に出る
状況だったわけです。
母の入院中、私が注文したのはそれまでの1/3の量でした。

母が退院してだいぶ元気になったころ、この在庫管理の件で
言い争いが何度か発生しました。
共に水掛け論で、最後はどちらかが怒って終わりです。

疑問も憤慨も解けませんが、両親のお金で買っているものです。
自分たちの創り上げてきた生活パターンを、娘だからといって
侵害する権利もありません。
まあ、本人の好きにさせるしかないと、諦めました。

しかし。
同年齢の親をもつ同僚ともよく話すのですが、
「老人向けの食品&日用品在庫管理システム」を開発したら
売れるんじゃないでしょうか。
それとも、システムなんて使いこなせないから、
在庫管理サービスをアウトソーシングビジネスとして売り出すか。

1.自宅内のあらかたの食品や日用品を棚卸し
2.目録化とラベル貼付、棚割後に集約保管整備し
3.定期的に訪問して整理と在庫補充する、
というのはサービスとして成立するんじゃないかと思うのですが。

[いつもありがとうございます]