すべては今とつながっている

それでも、日本人は「戦争」を選んだ

それでも、日本人は「戦争」を選んだ

ある8月の夕方、
テレビで小泉首相(当時)靖国神社参拝のニュースをみていた
姪(当時小学5年生)が彼女の母親(私の妹)に聞きました。

姪「どうして小泉さんは靖国神社に行くと非難されるの?」
その母親「知らない」(即答)

私は笑いながらこのやりとりを聞いていました。

何しろこの妹、これをさかのぼること数年前にも
「よく新聞にのってるエザワ・タミってなんの人?」(答え・・・江沢民中国国家主席:当時)
と聞くほど一般常識に欠けており、
こういう常識レベルで子育てをして
日本の将来は大丈夫かと危惧した位、のんきな人間なのです。

まだ姪も小さかったので口をはさむこともなく聞き流しましたが
以下は、このとき彼女が大きくなったら話したいと思ったことです。

ママは靖国神社参拝がなぜ非難されるか知らないって言ったけど。
でもね、しょうちゃん。
あなたのひいおじいさんは第二次世界大戦末期に徴兵されて、
シベリア(今のロシア)に抑留されていたの。

なんとか帰ってこられたから、おばあちゃんの兄弟も生まれたし学校にも行けた。
帰ってこられなかったら、おばあちゃんの生活も全然変わっていて
おじいちゃんと結婚もせず、あなたの母親もあなたも生まれなかったかもしれない。
不毛地帯」は単なるドラマや小説じゃなくて、実際ひいおじいさんが経験した世界なの。

そしてそれは
日本が中国やロシアと戦争して偶然勝ってしまった、という
誤った成功体験による国力の過信と、
日本が農業国から工業国に移行する過程でエネルギーや市場の問題に解決を迫られ、
追い込まれた中で第二次世界大戦を起こしたことの結果なのよ。

日本の首相が靖国神社公式参拝すると中国や韓国から非難の声があがることと
私達は無関係ではないのです。

今ここにいる私達と全てはつながっている。
第二次世界大戦の結果、原則として世界から植民地がなくなったことから
今のアジアやアフリカの状況があるし
中東産油国の台頭や利権関係、最近の「アラブの春」まで
全部つながっている一つのことなのです。
その中でたまたま私達は高度経済成長後の日本に生まれ育ったというだけ。

ドラゴン桜の桜木が「歴史は現代からさかのぼって因果関係で把握しろ」って
言ってたでしょう。
だからどんなことも、
今ここにいる自分とどんなふうにつながっていることなのか
という視点で理解してね。
世界で起きていることをひと事だと思わずに
共感をもって捉えられる大人になってほしいと願っています。