昇格審査てんまつ記

これから昇格試験を受ける若い方、昇格試験なんて関係ない方にも
「ふうん、よその試験ってこんな風にやってるんだ」というご参考になればと思い、
自分が受けた時のことを書きとめておこうと思います。

●試験準備

私が受けた頃は受験の前後10カ月に育成プログラムがありました。
 1.月3冊から6冊、課題提示されるビジネス書を読んで小論文を提出する
 2.マネジャーとしてのアクションプランを立て、レビュー、実施、報告
 3.推奨する通信教育やセミナー受講など(任意)
1、2は義務なのでやりましたが、3は実施しませんでした。
もう、1だけでとにかく一杯一杯です。
当時、日曜日はすべてこの作業で埋まりました。
私はいわゆる課長試験と部長試験を2年連続して受けたので、
2年半くらいの間、ずっーーーーと小論文を書き続けていました。
(だからブログが書けなかったんですけど)

そして試験直前になると面接で使う「成果申告書」というものと
小論文の練習書きを作成し、所属事業部長と役員面接の予行練習をしたりします。
ここら辺は所属する部署によって、ものすごく手厚く指導するところと
ほとんど放置の部署があって「有利不利があるなあ」と思ったものです。
しかしあまり色々なことを言われると質疑応答が自分の思いと離れてしまったり
プレッシャーが異常に高まるので、放任主義の方が良いという考えもあります。

●試験内容

 1.筆記試験
 2.小論文
 3.役員面接

上記3つで評価されます。
筆記試験の得点80%で足切りすると明示されているのですが真偽のほどは不明です。
1.2.の約2週間後に面接が実施されます。

・筆記試験
70問〜80問、80分程度で回答します。1問1分ペース。
内容は、業績、中期事業計画、会社の方針や社是、
会社の基本情報(資本金や株主構成など)、商品知識、
財務知識(計算問題アリ)、マクロ経済の知識、政治に関する知識、
一般常識(冠婚葬祭や礼儀など)、労務管理(関連法規知識含む)といったジャンルが
バランス良く設問設定され、なかなかよく出来た試験です。
会社によっては社長の挨拶全文記述とか、役員全員のフルネーム書けとか
会社への忠誠度をはかるだけ?の意図不明確な筆記試験もあるようなのですが
私が受けたものは管理職として身につけていてほしい知識、
という意図が明確でした。
ただし、準備なしで解けるものではありません。
それなりに事前の情報収集と試験勉強をしないと、ここで失敗となります。

・小論文
小論文はいくつか設定されたお題から選択し、1000文字〜2000文字程度で書きます。
与えられる時間は確か100分。下書きする時間はありません。
とにかく直ぐ考えて書き出さないと時間切れで終了となります。
すごく焦ります。
周りの人はみなすらすら書いているように見えてシャーペンを持つ手が震えます。

・役員面接
役員3人対自分で30分ほど。自分の専門性やスキル、直近の成果事例、
小論文の内容など説明し、質疑応答です。
意地悪なことを聞かれたり怒られたり、役員のタイプによってかなり
このときの内容と雰囲気は違うようです。
私は会社の中で極めてニッチな事業領域にいるので、
担当事業とそれを今後どう育てていくか、コンペチターとの戦略の違い、
部下のマネジメントといった一般的な質疑に終始しました。

●合格するために

合否どちらでも、翌日から仕事のなかみや自分自身が極端に変化したりしません。
2年半もこんなことをやっていた身としては
これって学習プロセスとしての意義の方が大きいな、というのが率直な感想です。
会社としてはあるレベルに達しているか振り分けるための試験ですが
受験する側にとっては自分を育てるチャンスと捉えた方が良いと思います。

それから、一つ思ったのはこの手の試験を受ける年代はとにかく公私ともに
超多忙だと言う事です。
大きな案件の中心的存在となっていて試験期間が案件のヤマ場だったり、
親の介護や子供の受験、といった時期にちょうど重なります。
私の同期も息子の中学受験と同じタイミングでした。

なのでとにかく普段から健康や体力維持に努めることと
仕事と自分の関係や思いを良く整理し、わかりやすく合理的に説明できるよう
日頃から自分を訓練しておくことが肝要です。
それと自分の専門技術をとにかく磨いておくこと。
(これは試験に限った事ではありませんが)

とにかく大変だったという印象が強いのですが冷静に振り返ると、
試験期間中の私は
・東京ドームで日本シリーズ観戦(巨人が優勝したので)
・ヨガのレッスン参加
・別の資格試験受験
と随分遊んだりほかのことをしていたのでした。
あまり自分にプレッシャーをかけずに日常生活を過す、
やりたいことをやってリラックスする、というのも大事なことかもしれませんね。
(同僚からはテキトーな性格によるものだと突っ込みが入ります)

[会社に入ってからも試験勉強はずっと続く]