iPadで働き方を変えられる?

iPadを導入した企業は多い。
業種・規模さまざまにあちこちで導入しているのを見るが
活用度はいまひとつの気がする。
「でかいUSBメモリ」で終わっているのが大半じゃないだろうか。

●あくまでモバイルツール

まず、社内作業にiPadは要らない。
キーボードとマウスがあり「ファイル操作」が容易な方が
オフィスワークには便利に決まっている。

iPadはファイル操作を前提に作られていない。
設計思想が違うのだ。

秩序だった保管体系でなくても
ストレージやネットワーク上にあって
検索すれば出て来て閲覧する、という使用方法を前提にしたツールである。

だから社内でデスクワークに従事する人には
パソコンの方が圧倒的に便利だ。

多くの時間を社外で活動する、出張が多い、
社内といっても生産の場や直接顧客に対応するといった
「現場」で働く人は使用方法を具現化すれば有用だと思う。

●アプリが無いと利便性もない

単なるデータの保管ツールとして使用されてる場合がほとんどだが
活用しようと思ったらフローをアプリ化していく必要がある。

タップで操作が進めば利便性が増す。
自動的にデータを取り込み、リサイズし、承認フローを設定し
次のプロセスに進む。

文字入力は最低限に。
せいぜいtweetレベル、140字。
これ以上増えるとキーボードが欲しくなる。

そのためには業務プロセスがシンプルに進むよう
標準化されていないといけない。
複雑な判断材料を盛り込むと活用のハードルが大きく上がってしまう。

出張や交通費、勤怠の申請承認、ガジェットの持ち出し申請といった社内手続きや
アンケート入力、エビデンスとしての写真データ送信・拡大確認など。
事故の写真をその場で撮って添付送信し、査定返信できるとか。
リアルタイムで、簡便に、データ送信できればメリット大。

●道具だけで働き方は変化しない

震災後の自宅待機や在宅勤務で一気に注目があがった「BYOD」。
私物利用、会社支給含め仕事におけるスマートフォン活用は
これからもより進むだろう。

しかしタブレットのビジネス活用は、もう1段階ハードルを越える必要がある。
超えないと「画面のでかいスマートフォン」にしかならない。

そして道具だけで働き方は変わらない。
いくら営業にiPadを持たせても、彼らの考え方も行動も変わらないのだ。

行動そのものを変えるためには、根本的な思想の転換と動機付けが必要だ。
iPadを持たせるから営業のスタイルを変えろ」といっても
紙のカタログがPDFになっただけであとは何も変わらない。

iPadWindowsタブレットの逆転?

と思っていたらWindows8のリリースによって
基幹系アプリとタブレットの連携が可能になるというニュースが。
http://special.nikkeibp.co.jp/ts/article/ac0a/137642/

こうなるとWindows系のタブレット
業務使用では優位になる可能性もあるかも。

MacとWidowsPCのような位置関係が復活するかもしれませんね。