そおゆうことがいじめにつながる
数年前の話ですが、もんじゅのナトリウム漏えい事故隠しが発覚したとき
小学校でうそをついた子を「動燃くん」といってからかう、
という話をワイドショーで聞いて笑いました。
最近では菅前総理の「一定のめどがついたら」というやつでしょうか。
(宿題を忘れて怒られた時などに「一定のめどがついたら提出します」
などと使うとの由。座布団一枚。)
甥が10歳くらいの頃、いじめによる自殺が大きくとりあげられた時期がありました。
小学校の先生もピリピリしているらしく、クラスの中で
ちょっとしたいたずらやからかいがあると「そういうことがいじめにつながる!!」
と厳しく叱責していたようです。
しかし怒られる子供のほうは全然真摯に受け止めず、逆にこのセリフを
ふざけて乱発します。
「早くご飯食べなさい!」というと「そおゆうことがいじめにつながる」
「ちゃんと片付けなきゃだめじゃない!!」「そおゆうことがいじめにつながる」
といった具合です。
まったくこの年頃の男の子は無駄なことはしても有益なことは何一つしませんが
こうした大人の言葉をカリカチュアする能力には舌を巻きます。
大人が言っていることが何重もの社会性と建前に包まれていることを
あっという間に見抜くんですね。
そしてそれをからかう軽やかさ。
社会性の包装にくるまれた言葉の本質にあるものを一瞬にして見抜く能力。
怒りながらも、内心たいしたものだと思ってしまいます。
しかしこうした能力をもつ男の子も20年くらいたつと
お腹の出た、社会性を骨の髄までしみこませた会社員になってしまう。
あのいたずらで本質を見抜く目をもった男の子たちは、
どこにいってしまうんでしょうか。
[↓子供の時代だけにもつ能力がある。]
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