実は世界を動かしているもの
[↓人口動態が如何に大きな決定要因かを知る二冊]
- 作者: グナルハインゾーン,Gunnar Heinsohn,猪股和夫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/12/01
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- 作者: エマニュエル・トッド,石崎晴己
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インタビュー記事が掲載されています。
著書「文明の接近」で「アラブの春」を予想した氏が、歴史の経過や行く末を
見通すときの視点は「出生率」と「識字率」だとのこと。
http://mainichi.jp/select/opinion/approach/news/20110924ddm004070007000c.html
最近の北アフリカの政治を大きく動かしたのはフェイスブックなどの
ソーシャルネットワークだとマスコミで大きく取り上げられましたが、
実はその背景に起きていたのは
1.識字率のアップによって親子間の権威関係が崩れ、イデオロギー面での反対活動が
活性化
2.女性の識字率向上により出生率が低下、男女関係が平等な形に変化
であることが語られています。
SNSはこうした土壌の上できっかけを与えた道具、という位置づけだったようです。
今まで欧米諸国の利害でもって勢力地図が既定されてきましたが
これからはそうはいかないでしょう。
今起きているギリシャに端を発した金融危機も、
すでに欧米諸国の今までの方法論が世界に通じなくなってきていることを
表している気がします。
1.欧米を中心とした先進国(これまで世界の動向を方向づけていた勢力)の凋落、
2.これから大きく変化を遂げようとしている北アフリカやアラブ諸国、
3.すでに大きな経済圏になろうとしているアジア
との間で新しい勢力地図が形造られていきそうです。
そのとき日本はどんなポジションになるのか。
会社の中で全然仕事していない技術者のおじさんたちを今からアフリカに輸出して
おいて、今後力をつけてくる国と仲良くしておいたほうがいいんじゃないかと
思います。
江戸時代末期から昭和初期に至る日本の歴史もそうですが
世界を動かしているものって、人口・教育(識字率)・資源
といったごく根本的なものであることがよくわかるインタビューでした。