ピアス・ホール
ピアスホールを開けたのは6年位前のことだ。
高校時代からの友人がガンで闘病生活の果てに亡くなった。
そのとき彼女のお父さんから形見分けとして贈られたのが
写真のピアスだった。
当時はピアスホールがなかったのでしばしネットで情報収集し、
一晩考えて会社の近くの美容クリニックで開けてもらった。
このピアスを贈られなかったら、ピアスをすることは無かっただろう。
ホールが安定するまでに一度傷つけて化膿しそうになったり
キヤッチの小ささに最初は扱いを戸惑ったが
今では無いと違和感があるくらいに慣れた。
年をとるほど顔周りに明るく光るものがあったほうが良いという。
ほんの小さなものでも、かなり顔の雰囲気が変わるから面白い。
「宮里藍さんが持っているのと同じもので、
これを着けると元気になれると娘が言っていました。」
と贈ってくださったお父様の手紙に書いてあった。
だから仕事が大変なときにこれをつけることにしている。
私にとってピアスを着けることは、
17歳のときから亡くなるまでの彼女の記憶と共にある。