小僧が育てたとうもろこし

甥っ子が育てたとうもろこしと枝豆を、
妹が持ってきた。

彼が小学校3年生の時、
学校の理科の授業で育てたプチトマトが実をつけた。
「おじいちゃんにあげたい」というので
一家そろってプチトマトを数個持ってきたことがあった。
「おじいちゃん」以下は皆感動し、
酸っぱいプチトマトを分けて食べたっけ。

そしてお礼に、とさんざん歓待して帰したのだった。
けっこうな散財であった。

あれから5、6年たち、
小僧はすっかり(大きさは)大きくなった。
しかし、気持ちは変わらず、
自分で作ったとうもろこしを
「おじいちゃんちに持って行って」と母親に頼んだらしい。

こちらも相変わらず、何かお礼してやらないとと
プリン、桃、やきとりを持たせて帰した次第。

子供のころ愛された記憶は
人格の深いところに根をおろして、
人間関係をはぐくむものらしい。

LINEで
「俺は神」「すべてにおいてさ、キリッ」
なんておバカなことばかり言ってるやつなんですが。

花とかまきり


夕飯の買物の帰り、カサブランカの強い匂いに誘われて
思わず花を覗き込んだところ、
思いがけない先客が。

なんだかわかりますか?


そこには体長2センチほどの子かまきりが。

百合とかまきり、なんて何だかSM小説みたいですが。

思わず接写。


「怪しいやつ! 何するのよ!」


「もう、カメラ向けないでよ! 失礼ね」


「しつこいわね、もう!  やめてってば!」

ごめんなさい。


久しぶりに雨が降った。
連日、気温35度の暑さの中の慈雨。


でも、すぐ止んでしまった。
少し涼しくなったけれど、すぐまた大変な蒸し暑さ。
百合の花の中も、暑いだろうか。

自宅にいながら旅行気分になる方法

●旅行に行けない

母が要介護になって、自分自身も旅行に行くことができなくなった。
(閉じ込め症候群は家族も閉じ込める、という話)
「閉じ込め症候群」は、家族も閉じ込める、という話 - うちの猫が云うことには

出張は行くがそれ以外で出かけることがなくなった。

するとやはりストレスがたまる。
行動の制約感は、とても息苦しく、焦りが募る。

家族同士の精神衛生にもよろしくないので
何とかリフレッシュ方法を見つけて、
副交感神経優位の時間を作ろうと努力している。

以下、その方法二題。


スーパー銭湯に行く

実家の近くに10年位前にできたスーパー銭湯がある。
徒歩5分くらいの距離なのに、行ったことがなかった。
(ちなみに父や甥、姪たちは行っている)

自由に動けたときは、
部屋に露天風呂のついた高級旅館めぐりを
楽しんでいたのだ。

しかし。
やはり大きなお風呂に入りたい。
体の温まり方も、マイナスイオンの効果も
家のお風呂とは全然違う。

5月の連休中、思い立って出かけてみた。
するとなんという気持ちよさ。
行って良かった。

以後、週末ごとに出かけては
①源泉を40度に温めたお湯で温まり
②気泡が出る36度のお湯で全身をマッサージ
③再び①で温まった後、36度の源泉掛け流しのお湯で放心

という手順で疲れを解放している。
こんな近くに、手軽に温泉を楽しむ方法があったとは。
うかつだった。



●SAVONのボディスクラブでマッサージする

ネットで紹介をみかけて、会社の近くにある店舗に行ってみた。
SABON サボン | オフィシャルサイト

スクラブ1瓶が5000円、とは決して安くない。
でも香りが良かったのと、死海の塩を使っているという点に惹かれて購入。

日曜日の夜、入浴時に使ってみた。
木のスプーンに2さじ、すくって全身に塗ってみる。
普段手が届かないような細かいところを含む、全身マッサージ。
いいにおい。

うーん、これはまさにリゾート気分だー。
香り、塩の粒度、オイルのすべり具合、いずれも絶妙に気持ちよく作られている。
なんという気持ちよさ。
お風呂から出ると、まるで旅行に行った気分になる。


●小さな楽しみを見つける


あれもできない、これもできない、と思い続けても仕方ない。
動ける範囲で小さな楽しみを見つける。
そういうことが、幸せと感じるコツなのかもしれない。

父と一緒に、せっせと巨人戦に出かけるわけ

今年の巨人戦のオレンジユニフォームの日は
イープラスの先行発売に申し込んだけれど、
抽選が外れてチケットが取れなかった。

巨人戦のチケットをとるためだけに
ゴールドカードの会費を払っているのに、と
ぷんぷんしつつ、あきらめた。

去年行ったのはペナントレース終盤の、
もう優勝が決まった後の試合だったけれど
ユニフォームをもらって、父がすごく喜んだのだ。
来客や親類が来ると、
自慢そうにオレンジユニフォームを見せていた。
だから今年もぜひ行きたいなと思っていたのだ。


今年最後のユニフォーム配布の試合が近づいたある日、
会社の近くのチケットショップをのぞくと
ネット裏のすごく良い席が出ていた。
しかし。1枚、1万5000円。
さあ、どうしよう。
しかし、シーズンシートである。スターシートである。
そして2人で、3万円である。

そのとき、この本の記述が浮かんできた。

閉経記

閉経記

「父が死んだ直後は、これで思いっきり腰を据えて仕事が出来ると思った。
そうはいかなかった。
 (中略)
巨人ファンの父だった。
あたしは野球なんかに興味はなかった。
ところが、八年前、父のためにせっせと熊本に帰るうちに、
父がいちばんあたしにしてほしいのは、
一緒に野球の試合をテレビで見ることだと気がついた。
そしたら、
父がどれだけ根っからの巨人ファンか、ようくわかった。」


じゃあ。行こうか。
一緒に行けなくなってからじゃ、遅いのだ。

時間だけは取り返しがつかない。
なんでも先送りの、テキトーな性格の私だけれど
こうしてせっせと巨人戦をみに、
父と東京ドームへでかけていくのである。

ひとも犬も年をとる。シェパード、タケの十五年。 「犬心」伊藤比呂美

犬心

犬心

読みたい本がない。
このところずっとそう思っていた。

ビジネス書も、ストーリーテラーだけの小説も、読みたくない。
文章そのものが、ぎゅっとかみしめられて
じわっと味がにじみ出てくるような、そういうものが読みたい。
で、これはまさにそういう本だった。

タケは雌のジャーマンシェパード
カリフォルニアで、著者家族と暮らす。
幼いころは犬の幼稚園を落第するやんちゃぶりだったが
時間はあっという間に過ぎ、タケはどんどん年をとった。

この犬の話を最初に読んだのは10年位前、毎日新聞の日曜版に
「いちこちゃんのおばちゃん」というタイトルで連載されていたエッセイだった。
(「伊藤ふきげん製作所」と改題して出版)
著者の3人の娘たちの生活に時々混じって登場したのが
まだ幼かった頃のタケだった。

そうか、あの子犬がこんなに大きくなったのか。
そして年をとって、死を迎えようとしている。

無秩序ながら、とにかくかわいく楽しい子犬の時代。
社会性の獲得と抑えきれないエネルギーが入り混じる、青年期。
家族を守る気持ちと鋭敏な知覚にあふれた壮年期。

そうした時期を過ぎて、いぬも老年期に入る。
人ももちろん大変だが、犬の介護も大変である。大型犬は特に。
そしてジャーマンシェパードは立派な大型犬。
しっぽをふっただけで植木鉢が倒れる大きさなのだ。

いぬを飼う人は、いつか介護するときに備えて
本書を読んでおいた方がいい。
とにかく下の世話、下の世話、下の世話、である。

散歩もできなくなる。励まして短い距離を歩かせる。
動くのも大変になって、家中がいぬのふんやおしっこのにおいであふれる。
でも、タケは家族なのである。

警察犬のような訓練を受けたタケが過去2度、人を噛んだ。
1回は次女が公園の警備員にいやがらせをされたとき。
2回目はものさしを持った工事の人が家に入ってきたとき。
タケにとって家族は自分が守るものだった。
そしていま、タケは衰え、動けなくなった。

タケが老いていくのと同時に、
熊本で暮らす著者の89歳の父の様子が交互に語られる。

日米を行ったり来たりしながら、
父といぬの両方を丁寧に面倒をみて、
残り少ない時間でコミュニケーションしつつ
老いと死に対する諦めと悲しみに向き合う。
近い将来、自分もそうなると思いながら。

タケは行ってしまう。
お骨になったタケを引き取りに行ったとき著者の口から出たのは
「タケの母です」だった。


保護する側であり、保護される側である犬たち。
相思相愛の関係の、たった十数年という短さ。
その間、お互いに年をとっていくが、
たくさんのことを飼い主に学ばせていく。

十数年をかけぬけていってしまった後も
たくさんのプレゼントを残して。

だから、結局はいぬ自身が、贈り物なのだ。

安眠のための儀式 -深く眠ってすっきりするためのコツ-

小飼弾氏の「弾言」の中で
いかに時間が貴重な資源かという記述を読んでいて
テレビを消した。

それからよく眠れるようになった。
そのプロセスとは。

●夕飯を早く食べる

最近は自炊にこだわらなくなった。
もちろん作るが、時間と疲労度合を勘案して
外食、半調理の品を買う、自分で作るを組み合わせる。

とにかく、早めの時間に食べて疲れないこと、
胃腸の使用を軽くするのが大事。

早く寝るための、これがスタートになる。


●テレビを20時に消す

帰宅後NHKの7時のニュースを見るが、20時になったらすぐ消す。
音が欲しい時はFMラジオをつける。
最近はそのラジオの音も煩わしくなって、
iPadにダウンロードした海の音のアプリを流している。

音と画像を早めにオフしておく。


●21時台に入浴

部屋を早めに静かなモードにしたら
21時〜22時くらいにはお風呂に入って体を温める。

体が温まると、副交感神経にスイッチが入るそうだ。
そして温まった体の体温が下がっていくとき、眠くなるのだそう。

寝たい時間から逆算してお風呂に入る。

入浴後は首や手足にオイルを塗ってマッサージ。
海や川の音を聞きながらだとこういうのが自然とはかどる。

テレビをみているとこうはいかない。


●23時には全ての音を消す

眠くなくてもベッドに入る。
最近ベストセラーになっているネックウォーマーをつけて
ごろごろしているといつの間にか寝ている。

以前は夜中にトイレその他で目が覚めたが
この手順で寝るようにしてから、朝までノンストップで眠れるようになった。

朝起きた時もすっきりしているし、日中眠くなることもなくなった。

疲れとり首ウォーマー (レタスクラブムック)

疲れとり首ウォーマー (レタスクラブムック)


●よく眠れることは、一日の気分とパフォーマンスを左右する

遅くまで起きているときも、
出かけて遅くなることも、お酒をのむこともあるが
自分の最も良い眠り方を知っておくことはとても重要。

休みの日は、更にこれにスーパー銭湯が加わり
体をよーく温め、気泡のお湯でマッサージするから、更によく眠れる。

よく眠れるようになって疲れが貯まりにくくなったし、
内臓に負担をかけないこと、よく休めることにも敏感になった。

健康の維持のために生きてるわけじゃないが
具合が悪いと全てが上手くいかなくなるのも事実。

何となく疲れが取れない、というときなど、おためしあれ。

業界選びの基礎知識 保険会社編

帰り掛け、保険会社の勧誘の女の子につかまった。
入社1年目とのこと。

「保険は目的に応じて入ってるし、見直ししてるし、
バブル期の逆ザヤ商品も持ってる」
と言っても粘られ、
乗るつもりのエレベーターが行ってしまい、
テキトーに答えてもまだエレベーターが来ないので
「なぜ保険会社に入ったのか」と意地悪で聞いてみた

その子「事務でなく女性がずっと続けられる仕事として選びました。」
私  「業界研究はしたの?」
その子「しました。社会保障の情報提供とかでもお役に立てるし、
    お客様に合った商品をお勧めするコンサルティングをしていきたいんです。」
私  「そう頑張ってね、うちにも入社3年目の女の子がいるから」


と言ったのは全部表向きで、内心の声。

「このご時世、大手保険会社入社なんて世の中知らなさ過ぎ。
人口減、単身世帯増、車保有減、デフレ、低金利その他、
保険会社に有利な要素まるで無し。
保険というのは、人口増加/インフレ/土地値上がりを前提にした金融商品
国内でどうにもならないから、海外に出て行こうとしてるのを知らんのか。
大手保険会社なんて、消費者にとって割高のコスト構造に、
社員でも説明出来ないくらいいろんな商品作ったあげくの、不払い問題。
ネット系を除いて「オワコン」事業ですよ。」

そして

「自社商品を勧めるのは単なる売り子であって
コンサルティングじゃあありません。
本当に保険のコンサルティングをしたいならマルチベンダーになるか、
フリーのファイナンシャルプランナーを目指すか。
その保険会社にずっと居続けても、ダメダメになるだけですよ。」

と言いたかったのだが

そんなことは言わずに
「頑張ってね」(にっこり)と、

エレベーターに乗り込んだ私は、優しいのか、冷淡なのか。


「通信中学講座 〜生命保険編〜」
http://blogs.bizmakoto.jp/shigotonin/entry/16163.html