美容室放浪記

年末に3か月ぶりに美容院にいってきました。
最近は「ビュートリアム南青山店」に行っているのですが
ここ数年の美容院ジプシーについて書いておこうかと思います。
あくまで個人的な所感で、偶発的な要素も入っているかもしれません。

●1998年〜2005年 「ビュートリアム南青山店」

その前に行っていた、
渋谷の美容院の美容師さんが急にやめてしまい
個人的に大きく落ち込む出来事もあって
気分を大きく変えたかった私。
ちょっと敷居の高い美容院に行ってみよう、と雑誌であれこれ探して
当時の髪型に合うだろう判断したのが「ビュートリアム南青山」でした。
ここの特徴は繊細なパーマと、コンサバからモダンまで対応する
カット力の確かさ。

たしか「カリスマ美容師」なる存在が
テレビやマスコミをにぎわしていた頃で、表参道かいわいの
有名美容室はお客がひきもきらないという感じ。
完全な売り手市場でした。

ここで紹介してもらった高際さんという方に
かれこれ8年くらいずっーと担当してもらうことになります。
期待を違わない技術力で、
あまり口数は多くないけれど、
こちらの意向を正確に汲み、アドバイスや提案をしてくれる
プロ意識の高い美容師さんでした。

なんの不満もなく、浮気することなく通い続けましたが、
群馬の方で独立されことになり、
ここから私の美容院ジプシーが始まるのでした。

●2005年〜2007年「BRANCO」「AQUA」

仕方ないので、著名な分腕も確かだろうとメジャーな美容室に
2、3回ずつ行ってみては、うまく意思疎通できないパターンが続きます。

BRANCO」はデジタルパーマを進められたけれど
普通のパーマとあまり違いや効果が感じられなかった点、
トリートメントとカットなど分業が細かくて、
その分人件費が価格に反映されているのだと思うと通う気が失せました。
(店舗面積と集客に対する従業員比が多すぎると感じました。)

「AQUA」はあまりに著名なせいか、一見さんお断りの雰囲気に
一回行ったきりで次へ。
まあこういう美容院は営業コストもかからず、
次々お客さんが来るんだろうなあと感じました。
ブランド力が続いている間は営業コストを払わず利益を出せるのでしょう。

●2007年〜2009年「Hair-Degrees」「Twiiggy」

この頃、ホットカーラーを使っていたので、
君島十和子氏行きつけで有名な「Hair-Degrees」へ行ってみました。
2、3回行ってみましたが、なんというか、水商売系の感じなのです、雰囲気が。
なんとなく時代の流れとそぐわない感じが否めず次へ。
特定顧客で維持出来ている感じ。

だんだん探すのも面倒になり、女性美容師の経営する店にでも行ってみるかと
雑誌でみかけた嶋田真理子氏御用達の「Twiiggy」へ。
ここは店が駅から遠いのです。
探すのが大変&平日行ったのにとても混んでいて
ざわざわしてすごく落ち着かない雰囲気。
そしてかなり大きな店ですが、
経営者の目が従業員やアシスタントの作業に行き届かず
サービス業として必要不可欠な最低限のマナーが身についていないまま
忙しさに流されている感じでした。
カットは上手で頭の形に合わせて切ってくれましたが、
サービスレベルが低すぎると感じ、
1回行っただけで次へ。

●2009年〜2011年「Kakimoto Arms 銀座」「TONI&GUY 原宿店」

青山周辺で駄目なら銀座か、と出かけたのが「Kakimoto Arms 銀座」。
ここは2回ほど行ったところで担当してくれた方が独立することになり
代わって担当してくれた方のカットがあまり気に入らず次へ。
ここもフロントの人数が多すぎると思います。
フロントって間接人員ですから。

そして青山に戻り雑誌でみかけた「TONI&GUY 原宿店」へ。
ここはしばらく通いました。
しかし担当の美容師さんがミスユニバースの仕事が忙しくて出張がちに。
平日時間を作って電話しても出張でいない、と断られることが続き
すると土日の混んでいるときにしか行けず、断念。
サービスレベルはとてもよく、店としての方針や教育が行き届いている感じは
とても安心出来たのですが。
予約がとれないことを除けば、技術・サービスレベル・価格いずれも
大体満足でした。

●2011年〜 そして再び「ビュートリアム」へ

さてどこに行くか。
思いついたのがビュートリアムでした。

仕事でお会いするのが経営層や大手企業の役職者の方が多い私は
ずっとボブをベースにアレンジしたコンサバな髪型をしています。
カラーリングもしないし、あまりモダンすぎるカットもしません。
でもあまり時代遅れじゃ困る。
そうした細かいニーズに応えてくれるのはやはりここしかないか
という感じです。

新しく女性の美容師さんを紹介してもらい、
やっと自分の髪型に戻りました。
問題が起きなければ通うと思います。


●まとめ

ずらずらと美容院放浪について書いたのは
自分の仕事(サービス業)と性質がとても似ていると感じるからです。

美容師のサービス提供は、

  • 口頭または写真などの不確かな情報の交換でサービス内容を合意し、
  • どうするか自分で考えて顧客満足を得なければならない

という点が、物売り以外の仕事に通底しています。

いつもカットしてもらいながら
「もっとこういう点に気を使えばリピート客が得られるのに」
等々考えます。
若い美容師さんは
表面的なファッション性やカットの流行に目が行きがちな気がしますが、
美容師として成功するのは
なんといっても「固定客の獲得」にかかっていると思うのです。
そしてお金を持っているのは、
比較的年齢層が高い客の方だったりするわけで
固定客になる可能性が高い場合は頭をフル回転して
技術力とサービス力を駆使した方が良いと思われます。

というわけで、
私が美容室を固定する動機となるのは

  1. 技術力(カットやパーマの腕)
  2. コミュニケーション能力(顧客の意向や生活パターン、仕事上の要求など確認できる)
  3. サービス提供者として必要な礼節(予約やサービス提供時間中に不快な思いをさせない)
  4. 予約がとれること(タイミングを外さない)

なのでした。

そしてここまで書いて、ああ自分の仕事と全く同じだ・・とため息がでるのでした。
顧客満足とは払った以上の価値を、顧客に感じさせること。
今年も仕事頑張ろうっと。

ビュートリアム南青山店
BEAUTRIUM/ビュートリアム
港区南青山5-3-5 ミルロッシュ青山ビル2F
03-5485-2771
火曜定休